1997 album favorite, Eryka Badu - Live

Discogsスタッフが選ぶ1997年ベストアルバム

1997年というと、さほど遠い過去ではないように感じられます。コンピューターの2000年問題が取り沙汰され始めたのがこの頃で、当時の私たちは機械という機械のそれまでの進化が一気に途絶えて、生活レベルがふたたび暗黒時代に戻ってしまうのではないかとひやひやしていたものでした。この時代のいくつかの音楽が最高に素晴らしいものであるように思われるのは、こうした状況下での恐怖心や妄想によるものでしょうか。それとも何か別の理由があるのでしょうか。その理由がどのようなものであれ、1997年のベストアルバムをつぶさに見ていくとき、その中から自分の特に気にいる作品を選び切ることは容易ではありません。当時は数年後にどのようなテクノロジーの変化が待ち受けているのかと心配したものですが、結果として多くのバンドやアーティストが新たな技術をうまく取り込んで、キャリアを形成し、新たなジャンルを作って、特徴あるアルバムを世に送り出しました。あれから20年が経ったいま、1997年に作られたそれら素晴らしいアルバムは、依然として私たちのステレオで繰り返し再生され、リリースされた当時と変わらず良い音を響かせてくれます。

1997年のそんなアルバムの数々をここで振り返ってみましょう。

R.L. BurnsideMr. Wizard

この作品はおそらくR.L. BurnsideがFat Possum Recordsからリリースした一連の渾身のシリーズ最後の一作ではないでしょうか。このLPと先行した複数の作品には、ハウス・ロッキン・ブルース、埃っぽいガレージ・ロック、パンク、そして90年代後半の”インディ”ロックが完璧に溶け合っています。1960年代のフォーク・ブルースシーンのように、1990年代後半のパンク・ブルースは新しい世代に受け入れられました。このムーブメントは、90年代後半から2000年初頭にかけてのインディ・ロック、パンク、ブルース、ガレージなどのジャンルの人気へと続いており、The White StripesThe Gossipはその流れのなかに現れたと言えるでしょう。

– Shannon, Community Success Coordinator

Prodigy  – Fat Of The Land

The Fat Of The Landの「The Prodigy」とF♯ A♯ ∞の「Godspeed You Black Emperor」との間で迷いましたが、私たちに衝撃を与えたアルバム「The Prodigy」に収められた素晴らしいヒットの数々を無視することはできませんでした。「Smack My Bitch Up」、「Breathe」、「Mindfields」や「Firestarter」で何度踊ったことでしょう。今でもこのアルバムを再生したら、皆踊り狂ってしまいます!これらの曲を聴くと、2007年に私が故郷スペインで生まれて初めて参加した音楽フェスティバルのことを思い出します。楽しい思い出とともに、私はこのアルバムを1997年のベストアルバムに選びます。

– Esther, Community Success Coordinator

U2Pop

U2のワースト・アルバムとして名が挙がることもあるこの作品ですが、私にとっては彼らがリスクを背負ってチャレンジをしたという点でこれは敬うべき一作です。確かに、このアルバムに収められている曲の中には「Miami」のようにイマイチなものもあるのですが…。「OK Computer」は他のスタッフにすでに選ばれていますから、私はU2の「POP」をすすめすることにします\_(ツ)_/

– Jeffrey, Public Relations and Strategic Partnerships

Yo La TengoI Can Hear The Heart Beating As One

ここ何年ものあいだYo La Tengoが私にとってどれほど大切なアーティストであるかを説明するのには、いったいどこから始めれば良いのかちょっと考えてしまいます。彼らのアルバムのほとんどがピカイチの作品だと言えますが、「I Can Hear The Heart Beating As One」には非常に長いストリングスのインディ・アンセムが織り込まれていて、それはリリースから20年が経ったいま聴いてもとてもフレッシュに感じられます。Yo La Tengoは、日常で何かうまくいかないことがあった時にほっと心を許して会いたくなる友達を思わせるところがあって、彼らの音楽は私の人間に対する信頼感をいつも回復させてくれるんです。

– Javi, Community Success Coordinator

 

Elliott SmithEither/Or

私がいまだに聴いている1997年のベストアルバムは、Elliott Smithの3rdアルバム「Either/Or」でしょうか。1997年に聴いていた別のガラクタについては、ここではあえて触れないことにしますね。今月初頭にKill Rock Starsから「Either/Or」 はリマスターされて、ふたたびリリースされていますよ。

– Kirsten, Product Owner

PhotekModus Operandi

1997年に世に送り出された音楽がいかに素晴らしかったかということを私はをよく話題にします。一枚を選び出すのは難しかったのですが、いまだに私がその音楽を聴き直して、影響を受け続けている作品といえばPhotekのセンチメンタルなLP「Modus Operandi」です。入り組んだドラムのプログラミングや、ドラムとベースセットの申し分のないジャズのフュージョンは、このアルバムを際立たせています。当時もいまも、このような作品に出会うことはありません。

– Wes, Director of Engineering

DJ KrushMiLight

私は、1997年というのはある転換期であったように思います。1990年代はじめから献身的なヒップホップ作品が現れ始めたことで、当時の私はだんだんラップ・ミュージックに興味を失っていきました。この時代はメジャーレーベルや大手メディア市場がより重視されるようになり、クリエイティビティやオリジナリティが失われ、音楽業界は”Shiny Suit Era”へと突入したのです。KRS-Oneまでもがリミックス作品をリリースしたのには、まったく興ざめでした。私が聴いてきた音楽がそもそもメインストリームから大きく外れてはいたものの(変に聞こえるかもしれませんが、1997年以前はヒップホップはまださほどメインストリームとは呼べないジャンルでした)、自分が求める音楽に出会うためにはそれ以前より熱心にレコードやCDを探さなくてはならなくなりました。個人的には1997年が音楽に関して良かった年だとは思いませんが、いくつかの良いにグループに出会うことができました。Company FlowJurassic 5Abstract Tribe UniqueLatyrxなどです。 エレクトロニック・アーティストでは、Amon TobinRoni SizeDaft PunkLuke Vibertも良かった。自分の97年のコレクションを見直してみて、過去20年間でもっともよく聴いたのは「MiLight」でした。この作品には、ビート・ベースの抽象的な感覚がすでに現れています。このテイストは90年代終盤から2000年代のはじめにかけて私がはまったインディ・ヒップホップを予感させます。

– Aaron, Community Engagement Specialist

Ma$eHarlem World

1990年代後半のヒップホップシーンには、今後ふたたび体験することができるのか疑問に思えるような確かな祝賀ムードが漂っていました。ど定番の「Still Not a Player」に「No Limit」、「Make Em Say Uhh」の栄光の日々。しかし、2000年を迎えようとしている当時、ヒップホップ界で頂点に君臨したのはMa$eの「Harlem World」でした。メタリックな宇宙服と魚眼レンズのミュージック・ビデオが印象的でした。このアルバムのスタイルは非常にユニークで、時代にぴったりでした。続く10年間に人気に火がついたヒップホップ界は、Ma$eとBad Boy Entの二番煎じと言えるかもしれません。このアルバムの名がヒップホップ界で廃れることは決してないでしょう。ハーレムの音楽がクラブにやってきたら、たちまちダンスフロアがライトアップされることを私たちは皆知っているはずです。

– Rodney, Developer

AFIShut Your Mouth And Open Your Eyes

「何かを放つ瞳を持つ、それが私たちだ。内に炎を抱く、それが私たちだ。私たちのことを認識できるのは、ただ私たちだけなのだ。」ーDxH

– Alfred, Operations Manager

Eryka BaduLive

このライブアルバムの核となっているのはBaduによる「Tyrone」のすぐれた演出でしょう。この曲は、黒人女性がどうしようもない恋人を激しく非難する内容の歌を歌った極めて初期のものであり、同時にベストな作品でもあります。後の例では、TLCの「No Scrubs」 (1999)やDestiny’s Childの「Bills Bills Bills」 (1998)などが挙げられますが、類似の後続曲の数々は、「Tyrone」の曲終盤の“You better call Tyrone / and tell him come on, help you get your shit. / You better call Tyrone / Hold up / But you can’t use my phone.”という部分の高揚感とこの曲全体に表れる激昂のほんのわずかなかけらを捉えたにすぎません。このライブアルバムに収められたその他の曲も引けをとらず、Baduのジャジーでパワフルなヴォーカル、バックシンガーの素晴らしいハーモニー、スロー・ジャムの雰囲気は圧巻です。これは私がErykah Baduに出会った作品であり、今後もお気に入りの一枚であり続けると思います。

– Stephanie, Controller

Wyclef JeanThe Carnival

1997年には本当にたくさんの良作が世に出たと思います。私にとってのこの年のベストはWyclef Jeanの「The Carnival」。実に完成度の高い作品だと思います。Celia Cruzのカメオまで収められた本物のアルバムです。曲間のスキャットも大好き。

– Tasha, Community Success Manager

Roni Size / ReprazentNew Forms

Yes something of a different pace

Fresh into ’97 make haste

ダイナミックなMCで始まる1997年定番の一作。このアルバムは当時10代だった私の耳にはとてもフレッシュで特別に響きました。この年の”クラッシック”(Modus Operandi、TorqueColoursBalance of the Force…)のうちの一枚で、私がドラム&ベースにはまるきっかけとなった作品です。ブリストルで結成されたこのグループはこのアルバムでマーキュリー賞を受賞したことで、メインストリームの聴衆からも注目されるようになりました。インストのライブ、ラップ、ヴォーカル、めまいがするようなリズムの躍動、展開されるベースラインが絶妙に交わり、多くのDJ・クラブ発祥の同ジャンル作品に比べて耳なじみの良い作品になっています。

– Karl, Developer

RadioheadOK Computer

自分のコレクションをチェックして1997年にリリースされた良作を2、3点見つけはしたものの、この年のベストに「OK Computer」以外のアルバムを選ぶのは何か違うように感じました。1997年、21歳の私は大学を終えてガーデン・センターのクリスマス・セクションでデコレイターとして働き始めたところでした。暗いホールの中で4ヶ月間働いて、のちに人々が溢れて身を寄せ合うその場所のデコレーションに使われている飾りはプラスティックではなく本物のガラスなんだよと周りの人々に話したりしていました(“but they looked like plastic!”)。私は初任給でロッテルダム・アホイでのRadioheadのライブチケットを買って、当時の同僚のRamonaと一緒にライブを観に行きました。会場で響く音、ライブのセットリスト、そしてトム・ヨークの声は本当に神秘的でした。そこでのパフォーマンスは、私がこれまで経験したどのコンサートと比べても依然として一番素晴らしいものです。

– Lilian, Content Marketing Specialist

BlurBlur

「Song 2」を聴き直すことなしに私たちが完璧に豊かで満ち足りた人生を送れるということに全ての人々が同意するであろうことを私は心得ています。現時点で、この曲なしでも皆さん幸福に生きていらっしゃることでしょう。でも、有名になりすぎた曲ばかりが取り沙汰されて、Blurの隠れた名曲に目を向けられない人が多すぎると思うのです。彼らのバンド名を冠したアルバムでBlurは新たな方向性を示しました。Albarnは郊外なまりのモックニーをやめて、才能あるギタリストGraham Coxonはそのクリエイティビティを開花させました。Coxonのギターはこのアルバムではより中心的な役割を担うようになり、Albarnの書く歌詞はより個人的な内容で、深く暗さを帯びたものに変わっていきました。一枚のアルバムとしては、非常にバラエティに富んだ一作だと思います。「Movin’ On」はさして好きな曲ではないと思っていたのですが、ある人がこの曲のCoxonのギター・ソロがイルカの鳴き声のようだと言うのを聞いて、そんな聴き方もあるのかと思いました。それで、このアルバムをもっと細かく聴き込んでみようと思い立ったのです。「Song 2」もね。

– Jess, Search Engine Marketer

Modest MouseThe Lonesome Crowded West

トップ40にランクインされてよく売れた「Float On」がリリースされるだいぶ前に、Modest Mouseはアメリカ西部のエッセンスを取り込んだ一枚のアルバムを製作しています。数え切れないほど世に出たカウボーイ映画にあらわれるロマンティックな西部に、近年の廃れたショッピングモールとゴーストタウンの西部の姿。”アメリカン・ドリーム”にともなう価値の同質化への幻滅、労働者階級の主知主義、アメリカで消えつつあるアウトサイダーであると同時にインサイダーであるという感覚。こういったコンセプトの数々がすべてまとめられたもっとも心揺さぶるインディ・ロックLP2枚組です。

– Mark, Developer

CrustationFlame

狂気の瀬戸際のようなダブ・ミックスが頭から離れません。

– Corey, Developer

Radiohead – OK Computer

あらためて考えてみる必要を感じないほど、「OK Computer」は全時代を通して私のお気に入りの一枚です。というより、もしかしたら今まで出会ったなかで最高のアルバムかも。その音が作り出す世界に、完全に心を奪われています。このアルバムを聴くと、それまで気がつかなかったバックグラウンドに潜むディテイルを毎回新たに発見します。「Exit Music」、「Electioneering」などの曲は、はりつめて閉所恐怖を思わせるようなところがありますが、「Lucky」や「Subterranean Homesick Alien」などでは、すべてが開かれて、無限へと向かう出口が見えるような未来に対する大きな展望が感じられるはずです。 このアルバムに収められている素晴らしいギターノイズの数々についてはまだ触れていませんでしたね。いや、でもそれを書き始めると長くなりそうなので、やめた方がいいかな。

– Tom, Database Specialist

Foo FightersThe Color And The Shape

野次の一つや二つ飛んできそうですが、このアルバムは私の心のセンチメンタルな部分に響いてきます。これは他の誰からの影響もなく、私が初めて単に自分が好きだと思えた一枚。この作品と出会ったことで、私は自分自身で音楽を作ることに目覚め、後に回り回ってDiscogsで働くことになりました。何よりも、このアルバムはいまだにそのメロディアスなアンダー・トーンと最高なドラムによって、ロック・アルバムのなかで際立って輝きを放っています。しっかりとした強のあるGrohlの歌声は、やわらかで感傷的なものから熱烈な叫びへと変化します。このアルバムを聴くと、今よりもっと単純でもう少しだけ不安を感じていた当時の自分を思い出します。

– Jeremy, Lead Developer

SprititualizedLadies And Gentlemen We Are Floating In Space

難しいですね。1997年は私にとって音楽の当たり年だから。他のスタッフのチョイスを見ると、すでに私のお気に入りでもある「OK Computer」、「Lonesome」、「Crowded West」と「Dummy」は選ばれているようです。そうなると、「Homogenic」、「Heart and Soul (Joy Division Box Set)」、「Brighten the Corners」や「The Boatman’s Call」をリストに加えたいですね。私にとってのこの年のトップ2は、Blurと「Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space」。実は私が初めてDiscogsのことを知ったのは、Graham Coxonのレコードを探し求めていた時だったのですが、JessがすでにBlur and Grahamの作品を選んでいるみたいです。ということで、私のベストはLAGWAFIS(Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space)に決定。

– Jon, Product Owner

Stereolab & Nurse With WoundSimple Headphone Mind

スペイシーな長曲2曲に、激しいリズム、トリッピーなエフェクトの数々に素晴らしいバード・ノイズ、となんでもありのアルバム。私の猫たちもこのアルバムが大好きです。Stereolab Nurse With Wound、両アーティストの私の好きなところすべてがこの一作に凝縮されています。晴れた日にバイクで長距離を走る時に聴いたら、完璧ですよ。

– Andy, Developer

Puff Daddy & The FamilyNo Way Out

「OK Computer」くらいインパクトのある作品を選びたいと同時に、故郷ボストンにゆかりのあるGusterを推したい気もするし、オルタナティブ・メタルに飛んでDeftonesをベストと言いたいような気も…。1997年は、疑いの余地なく”バッド・ボーイ”の年でしたね。ということで、私はPuff Daddy & The (バッド・ボーイ) Familyの「No Way Out」を選びます。私は元々このアルバムを友人から”借りた”のですが、アルバムを借りて1週間が経つとすっかりすべての歌詞を諳んじて、最終的には返すのを拒んでそのままアルバムを譲り受けてしまいました。このバッド・ボーイサウンドは、当時の私の愛車88 GMC Jimmyから数ヶ月のあいだ溢れるように街に響いていたんです。

– Ron, Director of Marketing

CornershopWhen I Was Born For The 7th Time

SpiritualizedとPhotekの名はすでに挙がっているようなので、私は別のアーティストを選んでみようと思います。ここ何年かでの再生回数を考えると、私にとっての1997年のベストはCornershopのアルバムではないかと思います。程よく力の抜けたアルバムには驚くべきスキルに支えられた非常に多くのエレメンツが収められています。ロック、ヒップホップ、フォーク、カントリーとその他いくつかのジャンルの融合。こんなにも多くのジャンルの影響が見られるというのに、ここまで調和して響くのが不思議です。また、Cornershop以外にこの年良かったのは、GusGusの「Polydistortion」。これはムードある変わった曲が収録された珍しいアルバムで、似たようなものにあまり出会ったことがありません。

– Matt F, Database Success Coordinator

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