海外での日本音楽ブームの火付け役 「Light in The Attic 」のYosuke Kitazawaに聞く重要作品5選

シティ・ポップ、環境音楽、フォーク・ロックなどの日本産音楽がここ数年で海外で人気となっていることは、みなさんもご存知かと思います。そして、その人気ぶりには、みなさんも驚いていっらしゃるのではないでしょうか?その理由の一つに、海外で日本の音楽が再発化され、海外の音楽ファンが音源を入手しやすくなったという事情が非常に重要な役割を果たしています。

近年、清水靖晃高田みどり吉村弘などの日本人アーティストの過去作品がアナログやCDで再発され、Discogsユーザーを含め世界各地の音楽ファンが過去の日本の音楽を手にし、 楽しみ、そして更なる音楽をこの日本から求めています。

その海外でのブームの火付け役の一つでもあるのがアメリカ、シアトルを拠点とするレーベル「Light In The Attic Records」。同レーベルは、これまでに日本の環境音楽や、フォークなどに焦点を当てたコンピレーションのリリースや細野晴臣の初期作品の再発化を成功させ、海外における日本音楽の発信地としてその地位を不動のものにしています。そこで、今回はLight In The Atticのリイシュー・プロデューサー、Yosuke Kitazawaさんに日本音楽を海外に広めたコンピレーション作品を選んでいただいきました。

A Light In The Attic's Yosuke Kitazawa in a bar in Shibuya talking about Japanese music
Yosuke Kitazawaさん 渋谷 BYGにて

Kitazawaさんは日本生まれのアメリカ育ちということで、日米両方の視点から日本産音楽を捉えることができるユニークな方だと思います。それでは、オススメの5作品を早速チェックしてみましょう!

Five Essential Japanese Albums:

A Guide To Japanese Music: GS I Love You Too (Japanese Garage Bands Of The 1960s)

Compilation – GS I Love You Too (Japanese Garage Bands Of The 1960s)

(1999)

過去に多くのグループ・サウンズ / ガレージのアルバムやコンピレーションが非公式でリリースされていますが、1999年に発売されたこの「GS I Love You Too」は、恐らく海外で初めて公式で発売されたGSのコンピレーションだと思います。発売元のBig Beat/Ace Recordsとこのコンピレーションのプロデューサー Alec Palaoは、ザ・スパイダースザ・カーナビーツザ・テンプターズなどの有名GSバンドを海外に紹介し、GSという日本音楽を海外に広めたという大きな功績を残しました。Big Beat Recordsはその後も日本のLink Wrayとも言われる寺内タケシ、日本のヤーヤー音楽、最近ではジャパニーズ・ディスコのコンピレーションなど、日本産音楽への愛情を込めたアーカイブ作品をリリースし続けています。

 

A Guide To Japanese Music: Various ‎– Love, Peace & Poetry - Japanese Psychedelic Music

Compilation – Love, Peace & Poetry – Japanese Psychedelic Music

(2001)

このコンピレーションに収録された音源への合法性(公式か非公式かという点で)は正直疑わしい所もありますが、世界のサイケデリック・ミュージックを紹介するこの「Love, Peace & Poetry」シリーズの中で、かなり知名度の高いリリースです。このコンピレーションが発売された当時は今のようにYouTubeなどで手軽に日本の音楽がチェックできる時代ではなく、このリリースを通して日本の素晴らしい音楽に注目した海外音楽ファンも多いはずです。このコンピレーションには、細野晴臣松本隆などを擁するエイプリル・フールブルース・クリエーションスピード・グルー & シンキなど、かなりレアで、未だ海外では公式に再発されていない楽曲が多く収録されています。

A Guide To Japanese Music: Maki Asakawa ‎– Maki Asakawa album cover

Maki AsakawaMaki Asakawa

(2015)

2015年にロンドンのレコードショップ/レーベル Honest Jon’sと「Japan Blues」ことHoward Williamsが、浅川マキのダークでスモーキーなフォーク・ブルースをコンパイルしたリリースで、彼女にとって海外での初オフィシャル・リリースとなりました。興味深いことに、このコンピレーションは後に「マキ・アサカワ UKセレクション」と題して日本でもリリースされました。異なる視点や文脈というものが、既に存在していたものに新しい生命や意味を持たせるという、良い例だと思います。

 

A Guide To Japanese Music: Tokyo Flashback Compilation

Compilation – Tokyo Flashback

(1991)

80年代以降の日本のアンダーグラウンド・ロックのシーンは、昔に比べると遥かに詳しく海外で紹介されるようになりましたが、それ以前といえば、Ghost灰野敬二のようなアーティストの作品ぐらいしか海外でのリリースはありませんでした。生悦住英夫のPSF Recordsからリリースされたこの伝説的なコンピレーション・アルバムは、めでたく2017年にBlack Editionsから再発されました。前述のGhostや灰野敬二を含めた日本のアンダーグラウンド・ロックに対する、海外での新たな再評価のきっかけを作った重要な再発リリースだと思います。

 

Essential Japanese Albums: Even A Tree Can Shed Tears: Japanese Folk & Rock 1969-1973

Compilation – Even A Tree Can Shed Tears: Japanese Folk & Rock 1969-1973

(2017)

日本のフォーク・ロックを編集した海外での初オフィシャル・コンピレーションです。ここにコンパイルされたアーティストたちは欧米から受けた影響を超え、その影響と等しく日本人らしさを受け入れ、母国語で歌うことを選んだミュージシャン達です。それまでとは異なる、新しいタイプの日本の音楽を作ったのではないでしょうか。改めてここに収録された作品を聞いてみると、彼らは欧米のアーティストの単なるコピーではなく、時代を超越するオリジナルな音楽を創り出し、世界中で聞かれるに値するものだと感じます。

 

上記以外の日本人アーティストで、海外の方でもアクセスしやすいアーティストは、イエロー・マジック・オーケストラオノ・セイゲンファー・イースト・ファミリー・バンド喜多嶋修武満徹などだと思います。


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